任意後見制度のメリット・デメリット|どんなケースに向いている?

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将来の認知症に備えて、あらかじめ財産管理を託せる任意後見制度が注目されています。

自分で後見人を選び、支援内容も自由に決められるメリットがある一方で、いくつかのデメリットもあるので慎重な判断が必要です。

本記事では、制度の特徴とメリット・デメリットや制度を活用すべきケースを解説します。

任意後見制度の主なメリット

任意後見制度を活用することで得られるメリットは、以下の2つです。

自分の意思で後見人を選任できる

任意後見制度では後見人を自分で選ぶことができます。

信頼できる親族や法律の専門家を指定できるため、安心して財産管理を託すことが可能です。また、任意後見制度では、後見人への依頼内容については、公正証書を作成することが義務づけられています。

支援内容を柔軟に設計できる

任意後見制度では、後見人への依頼内容を自由に設計できます。

財産管理の方法から介護などの生活支援まで、本人の希望に合わせて支援内容を決めることが可能です。

任意後見制度の主なデメリット

任意後見制度にはデメリットも存在しています。

以下で、主なデメリットについてみていきましょう。

契約解除のリスクがある

任意後見制度では、任意後見監督人が選任されるまでの間、契約が解除されるリスクがあります。

親族を後見人に指定した場合、業務遂行の難しさを理由に解除される可能性があります。

取消権がない

任意後見制度では、後見人に契約の取消権が認められていません。

本人が悪質商法の被害に遭った場合でも、契約を無効にできません。

一方、法定後見制度の後見人には取消権があり、不当な契約から本人を守ることができます。

死後の財産管理や事務について依頼することができない

任意後見制度は本人の死亡と同時に契約が終了するため、死後の財産管理や事務処理を後見人に依頼できません。

死亡後の対応を任せたい場合は、別途「死後事務委任契約」を結ぶ必要があります。

任意後見制度を活用すべきケースとは

任意後見制度のメリット、デメリットを確認した上で、この制度を活用すべきケースを確認しましょう。

事前に認知症の備えをしておきたい場合

任意後見制度は、将来の認知症に備えたい場合に最適です。

認知症発症後、何の対策もしていないと口座が凍結されてしまい、預金が使えなくなる可能性があります。

将来、親が障害を持つ子どもの成年後見人になりたい場合

障害のある子どもを育てる家族にとって、成人後の資産運用や支援体制の整備は重要な検討事項です。

通常、成年に達すると法定後見制度に基づく財産管理が必要となります。

しかし、任意後見制度を活用することで、未成年の頃から契約を結び、保護者が継続的に資産管理や重要な意思決定を担うことができます。

本人が希望する特定の人物を後見人にしたい場合

法定後見制度では、家庭裁判所が後見人を選任するため、必ずしも本人が希望するひとが選ばれるとは限りません。

そのため、身内や信頼できる友人、弁護士や専門家を確実に後見人として指定したい場合は、任意後見制度の活用がおすすめです。

まとめ

任意後見制度は、将来の認知症に備えて信頼できる後見人を自分で選べる法的な仕組みです。

支援内容を自由に設計できる一方で、契約解除のリスクや取消権の制限といった課題もあります。

特に認知症への不安がある方は、制度のメリット・デメリットを理解した上で、早めの準備を検討するとよいでしょう。

任意後見制度に関する疑問点がある場合は、早めに専門家に相談することをおすすめします。

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